『DEATH STRANDING』(読み:『デス・ストランディング』)をクリアしましたので、感想を書いていきたいと思います。
一言でいうと、期待以上に楽しかったです!
※ストーリーに関する重大なネタバレは含みません。
要素は多いが不自然さのないゲームデザイン
『デス・ストランディング』をプレイして、まずすごいと思ったのが、ゲームデザインとそのシステムです。
狭い視点で見ると、ただ荷物を運ぶだけの”おつかいゲー”にも見えますが、俯瞰して全体を見ると、様々な要素がお互いにつながりあっていることが分かります。
依頼される荷物、落とし物や建設物の位置、時雨の役割、BTやミュール、プレッパーズ、ブリッジズの行動、オンラインとのつながり方、道ができ方、……etc。
その成り立ちや役割には、世界観との齟齬や乖離、取ってつけたような不自然さを感じません。
しっかりとした重さを感じる挙動と操作性の良さは、ちょうど良いリアリティと没入感があり、動かしていて気持ちがいいです。
”自分のため”から”人のため”に何かをしよう、と自然に思わせるオンライン周りの仕組みも上手く、”いいね!”がこんなに気持ちいいと感じたのも初めてでした。
おそらく、技術的にどうしようもないことや割り切ったことも少なからずあったはず。それでも、これだけ多くの要素をここまでキレイにまとめ上げているのは本当にすごい! と思いました。
以前、小島監督の発売前インタビュー記事を読んだとき、「(安部公房の”棒”と”縄”になぞらえて)今のゲームのほとんどが、”棒”のゲーム。『デス・ストランディング』は、”縄”のゲーム」というようなことをおっしゃられていたと記憶しています。
実際にプレイしてみて、その意味がやっと分かりました。
操作自体はアクションゲームですが、ゲーム全体で考えると、確かに”新しいジャンルのゲーム”だと感じます。
いつ始めても大丈夫
オンライン要素が気になる方の中には、「他の世界の梯子や建設物が共有されるということは、先行組が置いていったものを利用して、あとからプレイするほうが楽なんじゃないの? 面白さが減るんじゃないの?」という疑問を持たれた方もいらっしゃるかと思われます。
心配いりません。
そうならないような仕組みにちゃんとなっています。いつ始めても大丈夫です。
そのあたりのことも諸々含めて、本当によくできているなと思いました。
気になったところ
良いところだけでなく、気になるところもいくつかありました。
一番気になったのが、「文字が小さくて読みにくい」こと。特に、メニュー周りやアイテム説明文などが顕著です。
私はPS4リモートプレイを利用しPCモニターでプレイしているのですが、それでも文字が小さいと感じることが多々ありました。
レイアウトやテキスト表示枠の都合でこの大きさにしている、ということは予想できるのですが、リビングの大画面TVでプレイすることを考えても、これはさすがに小さすぎるように思います。
他にも、以下のことが気になりました。
- 道の真ん中で放置されている邪魔な乗り物を任意で消すことができない
- 荷物を背負いすぎるとオドラデクの向きが見えにくい
- 建設物の切り替え方が分かりにくい
(↑一度分かれば簡単だが、最初はよく分からなかった。説明文の文字が小さくて読みづらいのが原因かも) - 車両で移動中、座礁地帯に入る演出が挟まると道を外れやすい
(↑操作不能中でも惰性で少し進み続ける。カーブ中にこの演出が入るとキツイ) - マップ画面に表示されるアイコン類をフィルタリングできない
(↑共有人数が増えてくるほど、目的のアイコンを探しにくい)
なお、小島プロダクションの公式ツイッターによると、2019年12月中旬のアップデートで修正されるものもあるようです。
【お知らせ】ユーザーの皆さんから要望をいただいた、「UIの文字を拡大表示する」「一部車両の廃棄を可能にする」などの対応を、12月中旬のアップデートで行う予定です。お待たせしてすみません。#デスストでつながれ#デススト#DeathStranding#TomorrowIsInYourHands pic.twitter.com/IuT4qYaEJX
— Kojima Productions (@KojiPro2015) 2019年11月27日
↑一番気になっていた文字サイズの件は修正されるようです。よかった。
👍👍👍👍👍👍👍👍
ストーリーは小難しい
エンディングを見終わった直後、「想像していたよりも、話が入り組んでいて小難しい」と思ったのが正直な感想です。
一応、中盤の終わり頃まではちゃんと追えていましたし、ストーリーの大筋は分かりました。
しかし、終盤で真相が語られるところの詰め込み具合が激しく、私には全てを理解することがちょっと難しかったです。。
独自の世界観で専門用語が多いことも、その一因かもしれません。そして、私自身の理解力の問題も大きいでしょう。
……と、ネガティブなことばかり書いてしまいましたが、決して面白くなかったわけではありません!
登場人物たちの悩みや境遇、”つながる”ことの意味や側面、安部公房の”棒”と”縄”を用いた語り口。実在する俳優・女優さんを起用した登場人物、声優さんの素晴らしい演技。
その演出や描き方は、まさに映画そのもの。
分かる人には分かるオマージュや、散りばめられたユーモアも面白かったです。
また、ストーリーについては他の人の考察などを見るのも、楽しみ方の一つだと思いました。
ノベライズ版(小説)も発売されているので、そちらで補完するのも良さそうです。
難易度について
難易度は、以下の4つが用意されています。
- Very Easy
(↑とてもやさしい。アクションゲームをほとんど体験したことがないか、初めての方向け) - Easy
(↑やさしい。アクションゲームが苦手な方向け) - Normal
(↑通常。アクションゲームを普通にプレイしたい方向け) - Hard
(↑難しい。アクションゲームが得意な方向け)
具体的には、「配達達成時に得られる評価」「敵の体力」「主人公の転倒のしやすさ」「荷物や装備品の損傷率」「ヒントの表示頻度」などが難易度によって異なります。
一つ注意点として、最低難易度のVery Easyでも、求められるアクション(操作)自体は他の難易度と同じです。
(移動や戦闘などはスキップできず、自分の手で切り抜けなくてはならない)
そのため、アクションゲームが特に苦手な方は、Very Easyでも少し大変かもしれません。ご留意ください。
一番印象に残ったプレイ体験
忘れられない私のプレイ体験を少しだけご紹介。
ゲームを進めてトラックと国道が出てくると配送が一気に楽しくなり、国道建設と親密度を上げる目的も兼ねて、しばらくは配送ばかりやっていました。
どうすれば一番効率よく配送できるかを考えるのが楽しく、それがうまくいったときの嬉しさともらえる”いいね!”のおかげで、どんどん気持ち良くなってくるんですよね。
そんなとき、途中で見かけたNPCのポーター(主人公以外の配達人)を見て、ふとこう思ったのです。
「あの荷物を奪って、自分が届けられるのではないか?」
ポーターの目の前でそんなことを本気で考えている自分に気づき、ハッとしました。
私自身が、ミュールと同じ”配達症候群”になりかけていたのです。
冷静になれたことでなんとか踏みとどまりましたが、「これが配達症候群か……!!」と、その恐ろしさを身を持って実感。それと同時に、ミュールという存在の悲しさ、この世界の説得力、その作り込みと周到なゲームデザインに心底感動しました。
これが私にとっては衝撃的で「こんな体験ができるなんてすごい!」と、ものすごく嬉しくなったのを覚えています。
月並みな言葉ですが、やはり小島監督はすばらしいゲームデザイナーだと改めて思いました。
さいごに
『デス・ストランディング』は、ゲーム好き、小島監督作品が好き、映画好き、出演俳優・女優さんが好き、という方におすすめ!
特に、ゲーム好きな方は、ぜひ一度プレイしてみてほしいですね。賛否両論ありますが、私の中では傑作中の”傑作”です!
最初はあまり面白さを感じないかもしれませんが、エピソード3くらいまで進むとできることが増えて効率も良くなり、一気に面白くなります。
プレイする際は、せめてエピソード3まではやってみてください。
ちなみに、小島監督作品といえば、遊び心に溢れた”小ネタ”ですよね。
もちろん、本作にもたくさんの小ネタが入っています!
私はちょっとしか見つけられませんでしたが、見つけたときは思わずニヤけてしまいました(笑)
ネットで検索すればすぐに出てきますが、最初はできるだけネタバレなしでプレイする方がより楽しめるでしょう。
いや~、すごいゲームですよ。『デス・ストランディング』は。
あくまでも私の感覚ですが、とても手触りが良いと感じました。
ホント、プレイして良かったです!
👍👍👍👍👍👍👍👍👍👍👍👍
(おまけ)クリア時の総プレイデータ
寄り道しながらゆっくりと進めていたので、けっこう時間が掛かりました。
それでもやり残したことがまだまだあるので、もうしばらく楽しめそうです。(^^)
それでは、今回はこのへんで。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
公式サイトはこちら↓
©Sony Interactive Entertainment Inc. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS.