以前、Epic Games Storeで無料配信していた時にとりあえずライブラリに追加していたパズル・アドベンチャー『パズル探偵スカウト 失われたデータの陰謀』(原題:Murder by Numbers)。
なぜか無性にロジックパズル*1がやりたくなり、「そういえば、前にEpic Games Storeでそういうゲーム見かけたなぁ」というのを思い出したのでプレイを開始。少し前にストーリーとボーナスコンテンツを含む全パズルをクリアしたので、感想などを書いていこうと思います。
総プレイ時間:約40時間(パズル中の思考時間含む)
一言感想:UIや演出面で改善してほしいところはあるが、思ってたより面白かった
ロジックパズルのチュートリアルがわかりやすい!
本作では、いわゆる”お絵かきロジック”や”イラストロジック(イラロジ)”、”ピクロス”、”ノノグラム”などと同じ形式のパズルゲームを解いていくことで、ストーリーが進行する。逆に言うと、パズルが解けないとストーリーが進められない。
でも大丈夫!この手のパズルが本当に初めてでも全く問題なし!
なぜなら、チュートリアルが非常に丁寧だから!
見るべきポイントや考え方、確定マスの見つけ方など、アニメーションとテキストによる説明+実際に一手ずつプレイヤーにも操作させるため、とても頭に入りやすい。見た目でわかりやすい演出も相まり、初めての方でも解き方を理解できるように作られている。
私は本作のプレイ前からロジックパズルの解き方を知っていたが、本作のチュートリアルは「web上にある画像+文字だけの解説記事より、超わかりやすい!」と感じた。
さらに、ゲーム中には”ヒント機能”も搭載されているため、詰まったときも安心。
パズルが苦手なら難易度を下げよう!誰でもストーリーを進められる親切なイージーモードもある
難易度は「イージー」と「ノーマル」の2種類がある。
イージー (簡単) |
ノーマル (標準) |
|
ヒント表示 | 最初からON | 最初からOFF |
完成列の自動線引き | 常にON | 常にOFF |
(パズルクリア時の) 難易度ボーナス |
なし | あり |
”イージー(簡単)”は、ヒント表示が最初からON(あとから任意でON/OFF切替可能)&1マスごとに正否判定する完成列の自動線引き機能が常にONになるモード。パズルクリア時の難易度ボーナス無し。
”ノーマル(標準)”は、ヒント表示OFF(あとから任意でON/OFF切替可能)&1マスごとに正否判定する完成列の自動線引き機能が常にOFFのモード。パズルクリア時の難易度ボーナスあり。
※「ヒント表示」のON/OFFはどちらの難易度でもあとから任意で切り替え可能だが、「完成列の自動線引き機能」は難易度ごとに固定されている。
※「完成列の自動線引き機能」のON/OFFを切り替えたいときは、難易度そのものを変更する必要がある。
※「パズルクリア時の難易度ボーナス」というのは、ストーリーを少し補完するようなボーナスコンテンツ(スカウトの記憶)の解放に必要なもの。
難易度はストーリーの途中でも設定メニューから変更可能なので、ロジックパズルにあまり慣れていないならイージーがおすすめだ。
ちなみに、イージーなら何も考えずマスをテキトーにバーーーっと塗りつぶしてもパズルはクリアできてしまう。そのため、パズルはちゃんとやらなくてもいいというストーリー重視の人もイージーが良い。パズルも普通に楽しみたい人はノーマルを選ぼう。
ロジックパズルのサイズは5×5~20×20まで
ストーリー中に出題されるパズルはそれほど難しいものは出てこない(5×5 ~ 15×15が上限)。ボーナスコンテンツ「スカウトの記憶」では20×20が上限になっている。ストーリーを進めるだけなら、あまり身構えなくても大丈夫だ。
この機会にロジックパズルの解き方をきちんと覚えたい人は、チュートリアルを思い出し、1つ1つ注意深く見ていこう。また、解き方をもう一度確認したいときは、メニュー内にある”ヘルプ”を開いてみよう。”基本戦略”と”上級戦略”という良くまとまった解説が載っている。本作をクリアする頃には、自力でロジックパズルを解けるようになっているはずだ。
コツは「一つの見方で行き詰まったら別の見方をしてみる」こと。黒マスだけでなく、空きマスを確定させるのも同じように重要であり、どこかに必ず足掛かりや突破口がある。諦めずに1マスでも確定マスを探してみよう。
一部、5×5限定で制限時間付きの問題が出るシーンもある。そこだけは、少し気合を入れてやらないといけない。若干面倒に感じることもあるが、これが良いアクセントにもなっている。
また、パズルだけでなく本作全体に言えることだが、何をどれだけ失敗してもペナルティは一切無い。安心して、落ち着いて取り組もう。
(おまけ)すべてのマスを正しく埋めたのにパズルがクリアにならないときは
パズルを途中で止めてゲームを終了し、またあとで再開すると、塗りつぶしたマスは残っているのに確定列の数字が未確定の状態に戻っていることがある。この状態でマスをすべて正しく埋めても、1つでも”確定状態(薄い灰色)になっていない数字”が残っているとクリアしたとは見なされないようだった。
もし、マスは確定しているのに数字が灰色になっていない列があれば、その列のどこか1マスを塗り直すと再びチェック処理が走り、正しく判定される。パズルを途中で中断・再開したあとにクリアできなくなってしまった場合は、黒色の数字が残っている列内のどこか1マスを塗り直し、数字もすべて確定状態にしてみよう。
ストーリーは面白い!セリフ回しのテイストは人を選ぶかも
ロボットであるスカウトの謎、個性がしっかりと立っているキャラたち、主人公と周りの人たちとのドラマなど、ストーリーは思っていたよりも面白かった。続きが気になる終わり方になっていたので続編の構想もありそうな感じだが、今のところ続編が出るのかどうかは不明。
タイトルに”探偵”とあるので、自分でしっかり推理する必要がありそうに思われるが、実際には推理要素はかなり薄い。一応、探索パートや選択肢はあるのだが、間違った選択肢を選んでもストーリー上の正しい選択肢を選ぶまで選択をやり直させられる。ストーリーに分岐はなく、1本道だ。そのため、プレイヤーが頭をフル回転して進める”推理ゲーム”というより、探偵モノの”小説やドラマを見ている”という感覚に近い。
また、制作が日本ではなくイギリスの会社なので、海外ドラマや洋画のようなセリフ回しとなっている。あまり見慣れていない人にとっては、少しとっつきにくく感じるかも。そこだけ、人を選びそうかなと感じた。
他にもLGBTQのキャラが普通に出てくるので、もしかしたら本作が多様性について考えるきっかけの一つになる人もいるかもしれない、とも思った。
UIや一部演出に難あり
だらだら書いても間延びするので、気づいたことや気になったことを箇条書きで。
- 会話中にポーズメニューが開けない(メニューを開けるのは探索パート時のみ)
- 早口や食い気味に口出しするシーンでは勝手に会話が送られるのに、あとで内容を見返す会話ログ機能がない
- シーンスキップ、自動早送り機能がない
- パズルスキップ機能がない
- 画面フラッシュ演出が多く、一部シーンは目が疲れやすい
- 選択肢が出るのに、マルチエンディングではない(ストーリーは分岐なしの1本道)
- マウス操作の説明がない(〈操作方法〉 黒で塗りつぶす:左クリック/ドラッグ、✗(空白)で塗りつぶす:右クリック/ドラッグ)
- キーボード操作の説明がない(〈操作方法〉 決定:Zキー、戻る:Xキー、メニュー開閉:Sキー、カーソル移動:←↓↑→キー)
マウス操作は直感でもなんとか分かりますが、キーボード操作は本当に分かりませんでした。。。ちなみに、キーコンフィグ機能もありません。
また、難易度によってボーナスの有無が別れていることで2周目をする人がいることも予想できると思うのですが、周回時にあると便利な機能がことごとく実装されていないのも残念。
ストーリーの進行はノベルゲーム形式のため、自動早送りやスキップ機能、会話ログ機能などは実装していて欲しかったです。1周目はまだ良いですが、2周目などシナリオをもう一度やり直すときが一番ストレスを感じました。
他にも、画面全体が一瞬だけ真っ白に明滅する”画面フラッシュ”が全体的に多く使用されており、ストーリーを追っていると度々目がチカチカして疲れやすく感じました。一部のシーンでは連続で何度もフラッシュすることがあり、周囲の環境や人によっては体調に注意する必要があるかもしれません。正直、光に敏感な方にはあまりおすすめできないです。
さいごに
「もう本当にどうしても無理ッ……!」というときは、難易度をイージーに変更してバーーっ!とやっても、私は良いと思います。パズルが解けなくても、ちゃんと先に進める手段が用意されているのはとても良いですね。
気になるところはまぁまぁありましたが、元々ロジックパズル目当てだった私はそれなりに満足はできました。ボーナスコンテンツも含め、ロジックパズルの難易度もちょうど良かったです。
ただ、万人におすすめできるかというと……ちょっと微妙かも。。
私はPCでプレイしましたが、Nintendo Switch版も出ています。もし興味がありましたら、プレイしてみてはいかがでしょうか。
Epic Games版はこちら↓
https://store.epicgames.com/ja/p/murder-by-numbers
それでは、今回はこのへんで。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
*1:ロジックパズル … 「お絵かきロジック」「イラストロジック(イラロジ)」「ノノグラム」「ピクロス」など様々な呼び方があるが、本記事内では「ロジックパズル」と呼称します